夕凪 触って 僕らは 未来が許すまで旅を繰り返す もうすぐ自由になれるねと あなたは呟いて傘を放り投げた いま最初の花火が上がったら 思い出が人ごみに溶ける こどもたちはその手を強く伸ばして 空を掴む 月を隠した雨雲が 名残惜しそうに形を変えていく 明日の今頃この場所は 1年先を待つただの器になる 最後の花火が夜を染め さよならも告げずに消える 嘘のない世界を夢見るふたりの、 ひとつだけ 重なった僕らの影 足音もかき消される喧騒 遠くから聴こえる鐘 次の方角へ ナウウェア、アイホープネバー いま最初の花火が上がったら 思い出が人ごみに溶ける こどもたちはその手を強く伸ばして 空を掴む 最後の花火と一緒に 明日への旅を始めよう 嘘のない世界を夢見るふたりは、 踊るだけ