音が聞こえて心ふらつく わたしの体だけが、 舞台の袖から消えて かわりに動き出す どれだけ君が待っていたかなんて わたしにわからないけれど 取り残された季節が いま追いついて、 飲み込む喉が息を吹き返す 声を消さないで! 色を置いたパレット 混ざる赤が消えて それが最初の名前だと知った どれだけ君が待っていたかなんて わたしにわからないけれど 取り残された季節がいま 追いついて、ほら、動き出すシーン 戸惑う手で髪を結う 色に名前つけていく 「ほんとう」を知らなくても 踊るわたしを見ていてね 足がもつれて倒れる前の 走馬灯みたいだった 口を開くカーテン、暗転の先 誰もが空洞だって嘘をつく だけど「ほんとう」は誰も知らない どれだけわたしが 待っていたかなんて 君にはわからないでしょう? 取り残された季節がいま 追いついて、また、 振り返す手のひら オブリガート 不可逆の幕間に 飽きたわたしたちの未来 どうかずっと 射抜くような視線と地平の先で 踊って どれだけ君が待っていたか なんて誰にもわからないけれど 取り残された季節がいま 追い抜いて、もう、 エンドロールだよ 微笑みながらさようなら 名前と色振りまいて この先はお楽しみに トゥービーコンティニュー 見ていてね