忘れていた 多くの熱気と肩を並べて おとぎ話に身を投じていたこと それを知ってなお 平気な顔してステージへと向き直る 周りのすべてがマネキンに思えた なのに今は怖くもないし辛くもない 熟れた空気にむせ込まないのは 楽に呼吸していられているってこと たくさんの人影のそばで 空の青が海となり 日差しをちりばむ雨が降り注ぐ 火傷した靴底が微笑み出し かざした先へと誘われる 彼女の詞と響きが無差別に 影たちの無関心を濡らしていけば 僕はイリヤとだって踊り 踊らされ 手を取り踊る 人形が照らされ 影絵が紡ぐ それは普遍的ストーリーのパロディ 僕だけに歌われた 歌じゃないからこそ ここにいてもいいんだと思わせる 誰かと分かち合う呪いとなる 決して一人ではない 全てを覆すほどの 雫のタクトが振るわれる 100万人のための彼女が フロアに微笑めば 誰一人の孤独も諦めない 寄り添うおとぎ話が加速するはずさ 浮かぶ空の青が海となって 日差しをちりばむ雨が降り注ぐ 皆が答えを一つにした時 そこには誰がいるのだろうか そんなことを思いながら 僕らはイデアとだって踊り 踊らされ 手を取り踊る