午後11時のカフェテラス ひとり分のコーヒー 冷めてゆく 何気なく目を閉じれば あなたの声が ふいに響く あんなに近くにいたのに 心だけ すれ違ってた 最後に言えたはずの言葉を 今もまだ 探してる あの頃には戻れない わかってるのに 夢に見る あどけない笑顔も 少し不器用な優しさも 記憶の奥で 色褪せないまま ひと駅ぶん歩いてみる 街の灯りが やけに眩しい 携帯の番号も 写真ももうない なのにどうして 忘れられないの? すべてが終わった夜にも あなたのことを想ってた さよならより つらいものが まだ心に残ってる あの頃には戻れない それでもまだ 信じてた 言い出せなかったこと 抱きしめたかった背中さえ 風の中では 遠すぎるから 愛しすぎると 壊れてしまう そんなことも 知らずにいたね いまなら言えるよ 「ありがとう」だけでも あの頃には戻れない でもどこかで 笑っていて 偶然すれ違う日が来ても 声はかけない それが私の 最後のやさしさ… あの頃には戻れない だけど心は あのままで
