「ああ 許してあげる」 何もかも 心の傷あと残るけど 「ああ 許してあげる」 悪い人 あなたを責めても帰らない青春 パーラーのガラス越し 窓際に坐るあなた あの人の細い手に指輪をはめてたわ 歩道のポストにかくれ私は見たの 彩どりなくした春に背中が凍る 「ああ 許してあげる」 そのひとこと 手帳破いて走り書く 「ああ 許してあげる」 そのメモを あなたに手渡す方法がないの いつもなら けんかすりゃごめんねと電話が来た ふたつきもおとさたがない訳 わかったわ 涙にまみれて歩く 駅までのアーケード街 水彩絵具のような小雨に濡れた 「ああ 許してあげる」 悲しみも いつかは季節にうすれてるわ 「ああ 許してあげるわ」 それは嘘 本当は死ぬほど恨んでる私 「ああ 許してあげる」 何もかも 心の傷あと残るけど 「ああ 許してあげる」 悪い人 あなたを責めても帰らない青春