もう全部やめだ 飛び出すドン・キホーテ 駅前喫煙所のすぐ横を靴を濡らして 走り抜ける suicaはかろうじて往路なら 払えるくらい 改札は何か言いたげで でも何も言わずに開く 夕立ちはとっくに過ぎ去って 平日の日差しは緩やか 改修が終わることないホームで 対岸は忙しない京都弁 空を飛ぶ為に 羽を捨て鰭をはためかせ 海を泳ぐ為に 鰭をもぎ足を前に出す 世界を見つめる為に 全てに背を向けて そうやって飛び乗った列車は 反対方向へ どうせ向かうべき場所なんて無いし 鞄に爆弾を詰め込んだつもりで 抱える座席の端 意識を失って気づけば日が傾いて 海岸に着いてあてもなくひとり 浜辺を歩く 潮風は不気味なくらい凪いで 大量の魚が打ち上って 夕暮れを眼差しているようで 詰められるだけ鞄に詰め込んだ 錆びついた非常階段 駆け上がる 駆け上がる 屋上で街を見下ろす 暮れていく 暮れていく 空を見せたくて 魚をビルから投げ出して 海を見せてほしくて 靴を脱ぎ足を前に出す 生臭い道路や車に人だかり そうやって飛び 降りたつもりがどうしてここにい る!
