上等な卵黄みたいな 空中に座るダリア 膜が裂けて横に垂れりゃ この非行も終わる頃だ 「1抜けた」あの子が言った 二もなく連れ立って散った 散漫とした意識の中 視神経を舐める朱 老けた猫が言うには 覚悟が明日明後日だ 括った腹にシュロの葉 ふわふわ二重螺旋描く五感模様 たたら踏む路傍 エルマー あなたに焦がれて トリップした芝居でほら 闇に身を投げられるわ 人然としては小綺麗な お面の鬼なら御免 欄干に蹴躓いてあっちゃこっちゃ 門限には帰るよ 幸福だけぶら下がった アドバルーンが揺れた ガードレールの下撫で歩いたら 手が真っ白できらきらした 溝に沈んだビー玉 掬って磨きゃぴかってさ くすんだ道に夏余光 火灯し頃、人模す獣の音 だから結う心 エルマー 貴方みたいにね ドリップした勇気でほら 向こうまで橋をかけるわ 人、善として分かりたいな きっと裸足なら飛べる お話の結末みたいにさよなら 何処かでまた会えるよ 炭酸の景色が過ぎていく 景色が過ぎていく 真夏の余白に溶けていく 迷子はもういない