いつしか降り出した雨が世界を 染めた 始まりはいつだって音もなく ただ静かに香る ぺトリコール 見慣れた景色の傍らに 咲いた戸惑い 何か欠けてしまった 空白のような違和感 ただ巡り巡る ふとした瞬間 君を探してしまう ぽつり降り注いだ 一雫の君が どうしようもなく 心 波立たせてゆく 水性の感情 窓辺に浮かんでは消えてく 雨模様 そぞろに頁[ページ]めくれど また夢うつつ 実感のない現実だけが 足早に 時計の中 駆けてゆく 滲んだ窓 マーブル模様みたいに ごちゃまぜの瞳 映し出すから ふと目を逸らした ぽつり降り注いだ 一雫の君が どうしようもなく 心 波立たせてゆく 傷口みたいに熱を帯びて ああ 溶けてしまう ぽつり降り注いだ 一雫の君が どうしようもなく 心 波立たせてゆく 水性の感情 窓辺に浮かんでは 溜め息に混ざって 終わりの見えない 雨模様 いつしか降り出した雨が 世界を染めた