よごもり 水面に浮く月に祈る このほど すがらに心騒ぎして 呼声遠く 木の葉のざわめきに追い惑わして 夜半の空 星の導きのままに 鳴り響く鈴 流るる時 儚し 今こそ詠え 花舞の調べ 想いよ 彼方に 咲きて今 花燈落つ御社に 呼ばれ奉りて いざ、いざ。 紡ぐ旋律 永久に咲く 歌詠の声 穢れなき 花の色 やすらに 重ねた年は 幾千 過ぎ行く景色は 刹那 移ろう季節の狭間に身を委ね されども 歌だけは 変わらず我らを繋ぎ 傍にあった 水面に映る碧空 木々に燃える茜 ほころぶ花 揺れる緑 漂うほのかな薫りでさえ すべてが我等の声になる すべてがひとつの歌になる 打ち鳴らす鉦 彷徨う世はあやなし 今こそ集え 花宵の宴 祷りは 天翔る 咲きて今 花紅り落つ 現世に 吹かれ息絶えるか 否、否。 凪いだ歌声 永久を恋う 命の光 託されし花の詠 いつしか 吹き荒ぶ風を手繰る 枯れてもまた 芽吹き咲けば この先も ずっと… 巡る季節 気付けば 花嵐舞うこの時代 東風吹かば花びら ひら、ひら。 渡る歌声 永遠に咲け 僕らの願い 変わりゆく人の世で 変わらない花の色 重ねよう またひとつ開くよ