風が花びらを撒いた空の青に 君の差し出した手のひらが滲んだ 雪の降る朝の窓の外のように 花は散った いつの日か枯れるために 花はどうして芽を開くのか 帰るべき家もなくて 鳥はどうして羽を伸ばすのか 希望も価値も理由もなく 人はどうして生きてゆけるのか 風が青空に描いた雲の白に 君の透き通る声が溶けてゆく 光があふれる原に影が落ちて 花が舞った 地の果てに沈むために 月はどうして今日も昇るのか 何もない海を目指し 川はどうして流れ続けるのか 苦しんで泣いて痛くて 寂しくて寒くて 僕は何のために生きたらいいのか 生きることに 意味があるのならばどうか 僕にそれを教えてくれはしないか 「咲いて美しく生きて舞うだけさ」 花は言った 一面の空の青に還るように 踊る君の目に映る花咲く季節 燃えて天に昇る蝶の羽根ように 花は散った