窓を流れてゆく 懐かしい微笑みが 街の思い出に変わる頃 あなたが教えてくれた言葉の意味が 漸く解ったような気がした 今はこだまする愛しい声の端を やがて捕まえることが できなくなったら 深く根を張った いつかの沈丁花が香る丘の上で 何を思い出すだろう 徒に風は吹いて 東京の冬の終わりを長引かせていた あの頃出会って 分かれた理由が無くても わたしはとても幸せだった 眩しい朝の光に また目を眩ませ 悲しいことは もう忘れてしまえばいい どんな結末が肩を叩いても きっと振り向かないで まだ歩けるから 今はこだまする愛しい声が ほんの少し遠ざかって 春の気配がした 深く根を張った いつかの沈丁花が香る丘の上で 何を思い出すだろう