Track by野口恵
薄明かりの波止場の方で 別れを惜しむ声がする 心心に 言葉はやがて 空へ 海へ 溶けてゆく 季節がここへ帰ってきたら 今日を思い出して この夕凪に もし一人きりでも寂しくないように ぎゅっと瞑った目の奥に 懐かしい街が見えていたの 手帖に綴じた夢の名前を 声に出さずに呟いて 静かな朝に旅立ってゆく カゲロウの羽音が 彼方の海で もし聴こえたなら教えて 季節がここへ帰ってきたら 今日を思い出して この夕凪に もし一人きりなら思い出して