ありがちな春が過ぎ 揺蕩う街並みの中で 僕だけが孤独だと 君は知らない空を 見上げる 生活が織りなす街は 少し移り変わり 変われない僕だけがいる 刻みつけたはずの痛みは そっと消える 柔らかな風が吹き込む 混ざる熱 ただ憧れていた 何もない部屋の中の 面影 苦しくて 当たり前の幸せは要らない 君がくれた生活の彩度はもう消える 最後の秋にくれた言葉 思い出す 背を向けて歩いていくと 決めたんだから 何も思い残しはない 揺れる海 染まった街は沈む 夢で止まったまま 触れることさえできなくて 「生きて」なんて言うけど 部屋に籠るの まだ 愛した言葉 愛した匂い どうしようもなく優しくて これが最後だと決めて 深く息を吸った さよなら