街をかすめる夕まぐれ ほおづえついた喫茶店 紫色に 暮れるのを 待つ人もなく眺めていた はこぶねに向かう汽車が行く 誰もが皆急いで 雨よ雨よ たたかないで 傘の花が 流れてゆく 雨よ雨よ 優しい胸 帰る場所を探している 言葉にできない悲しみを 空よお前も知っているの 一番欲しいものはいつも 誰かの屋根の下だと 雨よ雨よ 笑わないで 束ねた髪 ほどく指を 雨よ雨よ 帰り道が 傘の波に紛れて行く 言葉にできない悲しみを 誰もが持っているのかしら 雨よ雨よ 気づかないで うつむくほほ ぬれたほほを 雨よ雨よ 優しい胸 帰る場所を探している 雨よ雨よ 激しく降れ 傘をすてた髪に肩に ラララ ラララ……