永い永い夜を越え やがて射し込む春の報せは 去年よりもどこか切なくて 心の隙間を通り過ぎてく 空を埋める彩りが 滲まないようにと俯いた 君と歩くこの帰り道も これで最後になるだろう 言いたくて言いたくて 言えなかったこと 全部あの日の空へと浮かべては それ以外に僕に出来ることは無くて 後悔ばかりが先を行く どれだけ夢中になって どれだけ明日を待って どれだけ笑ったのか数えきれないよ 君が僕にくれたこの景色が 春風に流れてく 落ちた花弁ひとつ 薫る閉花予想 終わりが近づくほどに 綺麗になってゆく思い出は 地面の桜と同じように 儚く散ってしまうだろう 少しずつ少しずつ時間をかけて 揃えた靴先の蕾が開く これからの僕に待ってるものを知り 踏み出すことを躊躇っている どれだけ胸を裂いて どれだけすれ違って どれだけ泣いたのか 分からないほどに 君と過ごす時が続きますように 今だけは縋らせて 掴み損ねてひらり 指をすり抜けてく これから僕ら それぞれ違う道を 歩いて 歩いて どれだけ夢中になって どれだけ明日を待って どれだけ笑ったのか数えきれないよ 君が僕にくれたさよならさえ 春風に揺られてく 落ちた花弁ひとつ 薫る閉花予想