木枯らし 雲へ溶けていく 懐かしい匂いがした ただ しまいかけた 夕日のせい 遠くへ時を伸ばす影 虫の音が優しく鳴き 幾日の絵 重なる 流れる水辺に 草船走らせ 光る波 肩を寄せ 見つめてた 悲しみが 痛みも隠してしまっても 凍りついた体 胸の中で温めて 帰そう 藍色 飾る窓の夜灯 抜け出した夜の端で まだ あなたの声聴きたい 風切る自転車 笑い合う制服 微睡を濡らしてく 愛しい日々 この道が どこかで途切れてしまっても 振り向いて いつも通りで変わらない街を映す 頬に触れる ハミングと 優しいぬくもり くぐりぬけて 細い糸が千切れて消えた 悲しみが あなたの全て 奪っても 奪い返そう ありふれて幸せな日々へ 帰ろう