読みかけの本 おもむろに閉じて 敢えて眠った 知りたいことも 忘れる前提でさ 錆がまとわる自転車で 遮二無二 漕ぎ続けて 行き着いたのは 汗の批判だ 青い空なのに 飛び出せないのは なぜ きみが 見初めた風景を 高台から 探し出せないまま 踏みとどまってんだ 足が震えてた 羽根さえあればな 嘯いたよ 水の中では 潜り方も 溺れ方すら 知ってしまってる たった ひとつの リアリティと エクリチュール 目を 掠めた点滅は 白昼夢のうち 消え去ってしまった 会えてよかったんだ でももう会えないな わかっていたはずなんだ 飛行船 浮かぶ途上だった 過去の汗は やがて 雲になった 雨を成していた 夢に触れていた 寓話の続きへ きみが 見初めた風景を 高台から 大手を振ってさ 2人の両翼で 飛び立ってくんだ 羽根があるからさ