壊れそうな夜 君からの着信 泣き声混じりに 「話を聞いてほしい」 僕はただ頷くだけ 言葉選びを間違えないように 翼も輪もない天使みたいだ 下町通りの夕暮れの記憶が 君の婚約の件で 嘘みたいに思えてきた 「僕の方が良かったんじゃないの」 その言葉は 煙に絡めて換気扇に消える もしも 素直に言えてたら 腑に落ちたかな 「今でもずっと―」 僕はきっと優しくなれない その未来理想図を破り 捨ててあげられたら いつか きっと 何かの間違いで 僕の腕の中で その天使も眠りにつけるかな 師走には遂に母親になるんだね 産声の最中 僕はどこにいて 誰と何をしているだろう 子供にも僕の歌を聴かせてよ 僕は酷い言葉は遣わない 暴力も振るわない でも隣に居られない 信じたくない話ばかりで それでも彼なんだね 埒が明かないよ 僕はきっと優しくなれない その未来理想図を破り 捨ててあげられたら いつか きっと 何かの間違いで 言えたらいいのに 「僕の方が良かったんじゃないの」