Hello 君は独りで泳ぐ魚 青い海の底で 目を覚ました Follow 僕は急いで それを追って 深い文字の海へ沈んでいく 近付くほどに息苦しく 寂しそうに君は言う 「孤独は自由」 目を塞いで 言葉の海を潜水してる まるでシーラカンス 僕が君を照らしだすから できるだけ息を潜めて 苦しくなったら 地上へ出てくればいい 春、君はまたひとつページ捲って 青い種の僕は 恋に落ちたっけ ねえ 僕は君に近付きたくて 深い心の井戸 降っていった 鱗のように 君の殻が ぽつりぽつり剥がれていく 「独りは苦しい」 手を伸ばして 指先で頬に触れたら 塩の満ちたその涙 掬い出すから 悲しみも化石ように いずれ僕らに優しく微笑んでくれる Hello 君は独りで泳ぐ魚 あゝ君は僕だ 目を覚まして 言葉の海を飛び出して 泳げシーラカンス もう君を縛るものはない 自由に地上を泳いで 苦しくなったら 此処へ帰ってくればいい 帰ってくればいい