僕は目を反らされるのが嫌で 自分から目を反らす男の子です ありったけの勇気で君の 小さな手を握りしめた 君は手を離されるのがこわくて 自分から手をほどく女の子です ありったけの勇気で僕の 手を握り返してくれた 上手に伝えられないまま 言葉と言葉がすれ違う はぐれた手と手はお互いに 「さよなら」という言葉を 選んでしまった 「いつもいっしょ」と二人で唱えた 風吹く丘は 僕らにとって 儚く途切れる夢のように 記憶の中で薄れてゆく景色になった <♪> あのサヨナラから時は経ち 僕もなんとなくだけど大人になった 愛なんてまだわからないけど 自由と責任を知った 忙しい毎日の中で 自分を忘れてしまう時は あの丘から空を見上げる 少しだけ切ない気持ちを 胸に抱きしめて 僕は思い出す あの日あの時に 手を離したのは 僕の方だった 後悔をしても仕方ないと 帰ろうとした その時 君が現れた 幻じゃない 君が目の前にいる あの頃と変わらない笑顔で ずっとずっと会いたかった 何も言わずに 君は微笑んで その小さな手で 僕の手を握り すれ違い別れた二人にだけ わかる涙を 一粒だけこぼした 甘い言葉も 深いくちづけも 今はなくていい ただ目を閉じて 「いつもいっしょ」と唱えるだけで 幸せ色の風が二人を包むのです