ねえ 憶えてるかな あの花の色 もう 分かってるんだ どうしようもないこと 鼻を突くようなアスファルトの匂い あと何度この夢を見れば 終われるのだろうか? モノクロームに染まった視界で 反芻される結末は 名を騙った 下らない 世界線のバッドエンドロール 何もかも奪われて眠ったこの感情に 君の手で触れて 優しく囁く君の声 落ちては弾かれ消えていく ねえ 憶えてるかな あの花の色 ねえ 私は気付いたんだ まだやり直せること 泥濘を歩いていく 沈んでいく この意志すら定められた 負ける為の端役だとしても 苦しくてふと見上げた雲の切間に 虹光が差していたから 花弁の内に溜まり続けた 透明がやがて溢れだした 決められた筋書を全部破り捨て もう誰にも選ばせない 手を繋いで笑っている そんな未来を想像して 水溜を強く踏み出した