ホコリだらけで目も開けられない そんな風に逆らって ホームレスの住むガードをくぐって小さな公園で一服 男の子の兄弟が二人シーソーの片側に座り 「どうして動かないの」ってオジイチャンにきいている 蟻ん子みたいに働いた今日の夕暮れの公園の 冬の気配はまだ来ない空にトンボが飛んでいる 日当たりのいいベンチに座ったオバアチャンが杖を置いた きっと 子供たちの足音に遠い昔を懐かしんで 何も知らないで生まれて 愛と欲望にゆられて そして働いて眠って 常識も知らず ネクタイも締めず 不器用な子供みたいに転んでも そして誰も居なくなったあのガードは工事中 動く歩道は一体僕達をどこに運ぶのか? つまらない知恵にまみれたこの融通の効かないアタマを 今すぐ白紙に戻したくって白い煙はいた いつでも僕らは今を生きることしかできないけど だけど一瞬の「今」の連続がきっと永遠に続く なんて そんな考えが右から左へ飛んでいったカラスみたいに カラッポの頭の中を今ふっと通り抜けた 何も知らないで生まれて 愛と欲望にゆられて そして働いて眠って 罪と栄光に踏まれて 何も知らないで生まれて 愛と欲望にゆられて そして働いて眠って 常識も知らず ネクタイも締めず 不器用な子供みたいに転んでも