君は 南の島の端 小さな町に住んでいるかも 君は 遠い大陸 摩天楼から夕日眺めているかも 君の顔や 喋る声や 歳も知らないけれど 知ってる 君は昨日 映画館で 隣で泣いてた女の子かも 君はさっき 本屋でお釣り バラまいてたおじさんかも 君は今 僕の目の前で レジを打ってる バイトの学生さんかもしれない 君はいつか 丘の上の 美術館で会った人だろ? 君は今日も どこかの街で ギター弾いてる ミュージシャンだろ? 君の顔や 喋る声や 歳も知らないけれど 知ってる 春 まだ寒さが 身に沁みる頃さ そんな事思いながら 日々過ぎてゆく 君は 僕がかわいがってる 仔猫たちかもしれない 君は 夜の空に浮かぶ 違う星のヒトかもしれない 君は 僕のスマホに住んでる 妖精なのかもしれない 君は 僕の好きな君の ほんとの姿なのかもしれない 君は 僕の隣のうちの 中学生かもしれない 君は いつもお世話になってる 職場のあの人なのかもしれない 君は 僕がピアノ弾いて 歌うたっている姿 知らない 僕が生まれるずっと前にも 逝ってしまった遥か未来にも 世界の果ての終わりにも 一人ぼっちのキミがいて そして 毎日なんとか暮らしている そんな事知ってる 春 まだ寒さが 身に沁みる頃さ そんな事思いながら 日々過ぎてく 花咲く季節に 心震わせて 一期一会そして 雲流れ 春 まだ寒さが 身に沁みる頃さ そんな事思いながら 日々過ぎてゆく