お変わりないですか あれからどれくらい 経ったのでしょうか 穏やかで丁寧な生活を 送っていますでしょうか 日々はますます速度を上げて 季節にますます過敏になって 時の渦の中心に 僕らは どうやら 徐々に徐々に 近づいている そんな気分です 君ならきっと分かってくれるだろう 夢を追って 東京のある街で 僕らは出会い 朝まで語り合って 肩を抱き合い 燃やした情熱 寝る間を惜しんで疲れも知らず 現実の壁にぶつかりながら 燃える炎を絶やすことなく 嵐の中で寄り添う ペンギン達のように まるで今宵の雪のように 一瞬でもこの世界の色を 塗り替えられると 僕らは固く 固く信じていたのです 生きることに意味など求めない 続けることに見返り求めてない ただそこに輝きがあって そんな日々を愛せたならば ある時 雪の下に小さく 柔らかい 緑の新芽が 健気に美しく育っているのを 見つけて 君にこの手紙を書こうと思った 次第です 敬具