誰かの呼ぶ声 粗末なビル群に 掻き消され 不安なく生きるには 少しくらいは嘘を 携えなければと 間違いだらけの幸せに 疑問も持たぬ顔 そろそろ移住を考えるつもりで 地図を広げても 行き場のない そんな未来 振り向けば 思い出が 傷になる 脳裏には 灰色の 風が吹く オーストリアにでも行こうか? それとも地中海? 何一つ不自由のない 理想探しを続けていても 目に映るのは蛋白質だけ 微かに憶えてる海辺の画像 あれはどこだろう? 答え合わせもままならないまま 時が軋んでいく ボロ舟の上で惑わされ続ける時代 だからこんな自分に諦めがついたよ 溜息混じる街 今日もぬるい外気が黒い渦になって 君の眼が 覗いてる この街は 憐れだろう 息苦しさで みすぼらしい この無常は 続いていく