お茶が出来ていて 冷蔵庫に入れてある 一人で暮らしたら 一年は当たり前を引き摺る 次第に「当たり前」と名付けた 頭陀袋穴だらけ 丁寧さを取り零して 時を戻して見ないと 由来の知れぬ癖と行方の知れぬ癖 肉声に宿る苦し紛れの強がり 春が散り夏去り秋疾き冬止まぬ 台風の形をした人生は 一周する度に円の直径を縮ませる 早くなったと錯覚するのは 知らない事ほど美しかったと 知っているから この年月ending気泡になりたがる この年月ending気泡になりたがる ベルトをタイトに締めすぎると 歳とってから腰が 痛くもなるのだとか 適度な息の抜き方で遊ぼう もう自分より背の高い草叢は なくなってしまったよ 探検の面白さ 満面の笑みを浮かぶ 満天のさざめき 虫を擬人化してまで 寂しさを埋めた 撒き散らした翅 ロービームの先に蛙 地元を捨てずにそこに居る 足るを知るが出来ずもがく止めぬ 井の中の 歩きながら伸びる影が祭から帰る 人達を躱す 昨夜から少し涼しくなった街が ツキを取り戻したとばかり 鳴いている 不思議なことで人は 虫に例えたくなる 花に例えたくなる 季節や星に例えたくなる あんなにも騒がしいのに 二人きりになれば借りてきた 猫よりもおとなしい もどかしい音無い時間を経て 大人になるものらしい こそばゆい想い語らい面映いと その類の言葉達が お湯が 熱いうちの味噌みたいに溶けて 嘘みたいに打ち解けてく 湯呑みを揃いにして 茶碗を揃いにして 証拠が増えて無事添い遂げていく ガサツさの摩擦が憎しみに蓄熱 朝露が冷ましてく 愛くしみに一変する 手にするまでの時間までしか 愛してやれない しかしながら自然と笑みが 溢れる時間が増えたのは あの頃じゃ無い 憎さすらも見つかるくらい積み 重ねたおかげだ そのおかげじゃないかな?