咲いた花だけ 人は観(み)て きれいな花だと もてはやす 花には枝あり 幹がある 目にこそ届かぬ その下に 忘れちゃならない 根っこの力 蔭で支えて 土ん中 上へ上へと 背のびすりゃ 嵐で根こそぎ 倒される 前、横 後ろに 気を配り 足げにされても 踏まれても 愚痴(ぐち)さえ言わずに 根っこは耐える 陽(ひ)の目(め)一生 見なくても 裸さらして 生きる木は 雷さんにも どやされる 涙は裂けても こぼさない 我慢を肥料(こやし)に 今日もまた 生命(いのち)を枯らさぬ 根っこがあるさ 明日(あす)にでっかい 花となる