グラデーションの空と 透き通った粒子の 幾重ものカーテンを 白い息を吐きながら あの日見上げた シリウスのように一際明るく 輝く星じゃなく いつでも北の夜空に 光る北極星 あなたの住む街では あの日のように見えますか 優しく光るあの星は 誰かの帰りを待つように 梢の向こう光る星 私の帰りを待つように 故郷にいるよりも この街での暮らしが 長くなってからは 星を見上げる時間も 余裕も無くしていた 少しずつ夜空は 街の灯の灯りで 星屑は消えていく 心の中の記憶さえ 遠く滲んでいく 私の住む街では 一等星が光るだけ 目を凝らして見る空に ひしゃく星も見えなくて 手を伸ばして探す星 帰る道も見えなくて 優しく光るあの星は 誰かの帰りを待つように 梢の向こう光る星 私の帰りを待つように