腕時計 ベルトに残る夜のアンバー 意味もわからぬままに着飾った Bpm60で動く針の音に 耳に押し付けた心臓を重ねた 安定した無機質な リズムに温かさはなく 広いベッド機械音すらも愛しく思う あの安いシャンプーはそこに 残ったまんま あの高い シャンプーはすぐにいなくなった 死なないでと言うくせに死にたいと 言う 幸せになれないと嘆いて笑う そういう感じでいいよ 会いたいと言うくせに会えないと 言う 怖いと言うくせに外に出る そういう感じでいいよ そういう感じでいいんだよ 防水でもなんでもないそのケースに 濡らしたくない想いを詰める アンティークな 火もつかないライターに とりあえずオイルを差しておく 逃した週刊の雑誌は 別に待ってくれてるわけもなく 積み上げた漫画の束も僕を 見放したんだ ごめんね ありがとうね またいつかね 切った小指飲んだ針の痛みも消えた 忘れてくれてもいいよ 忘れてくれてもいいんだよ 来ないいつかを待つような 死んだ音楽を追い続けるような そんなに頑張んないでほしい 幸せの中にいてほしいよ