あれほど愛されていたあの娘は 先ほど 息を引き取りました こじんまりとしたお葬式で 母親はただ泣いていました 使い古したノートに残した 好きなこと嫌いなこと その一つ一つを眺めながら なんの後悔もないと悟った ねぇどうして 人は生まれてくるのでしょうか ねぇどうして 死んでいくだけだと言うのに 血管を這う激痛と 生まれてきた苦痛を ただ天秤にかけた夜でした -ここはsuicide cafe- 自分の消えた後の世界を ひとしきり想像した後で 消えてしまう勇気さえないこと 実は気付いていました このまま何もなさぬままで 一生を終えてしまうのですか 固い絆で結ばれたふたりも 崩れ落ちて後の祭り それでも まだ 生きたいと願うのはエゴでしょうか 未来を 夢見ることに疲れたはずなのに 生きたい生きたいと 心臓が細動してる 孤独の椅子に電気を流す 明日もし晴れてたなら 仲直りしたいな とびきりの紅茶のセットも 用意するから 昼下がり お気に入りのカフェテラスに座り 気になるあの娘を連れておいでよ -ここはsuicide cafe-