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敗戦投手 『随想録』ライヴver

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  • 1979.11.10
  • 8:26
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歌詞

敗戦投手の背中は哀しい 男なら誰でもその理由を知ってる 長い人生に一度や二度は 自らマウンドを 下りることもあるから すばらしいピッチングで 8回までピタリと 相手の打線を押さえてたエースが 突如最終回に乱れて打たれ 満塁サヨナラのホームランを浴びた そんな馬鹿化た話 あるもんなんだね 僕は笑いこけたあとで テレビに向かって 「無能、あさはか、板付かまぼこ」 敗戦投手の背中は哀しい 男なら誰でもその理由を知ってる 長い人生に一度や二度は 自らマウンドを 下りることもあるから 僕と彼女はとても愛し合っていて 実は来年の春には みごとゴールインする 自分でいうのも何だが とてもお似合いで だから自然と口元がゆるむ 朝目覚めてにんまり 歯を磨いてにこり 食前食後に、にたり トイレでにやり 「それじゃ まるでばかじゃねえか」 ところがかげりは忍び来るもので 彼女の笑顔と口数が減った 僕は過ぎる程にやさしいものだから 次第に彼女をわがままにした そうさぬるま湯は たぶん二人によくない 町の占いが僕を呼びとめて 「ふ、不吉じゃ、 とくにはえぎわが」 彼女は最近知り合った男を まるでのろける様に僕にうちあける 「あなたが嫌いになった 訳ではありません 強いていうなら 何かのまちがいでしょう」 そんな誰かの下手な 唄じゃあるまいし 僕はヒザから急に力が抜けてゆく 「だってあんまりだもの」 僕は初めて怒ってあわせろと言った こういうケースでは たいがい相手の男が悪い こぶしを震わせて男と対決したが 確かに僕よりも数段はいい そればかりではなく体格もご立派で 僕は結論を二人にたたきつける 「よ、よかったですね」 つまり彼女はゆうべこの町を出た 身づくろいもせずに 逃げるようにして 知らせの受話器を僕はにぎりしめて くやしさに鼻水を目からこぼした 電話の向う側で 月下氷人がさりげなく 事務的にあっさりぽつりと云った 「はい、キャンセルです」

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