小さな花をくわえて笑ってた 夏の空模様は 気まぐれに変わっていく 積み重なった雲は 今にも泣き出しそうだ どうして君は笑ってるの? 白亜の空 君はそんな色 あどけなく花をつけ 無邪気さ写したレンズ 落ちたオレンジの水滴 ゆっくりと歩く 氷河期は来ない 可憐な遊泳 漂流した道 音符を叩いて強く願った 変わらぬまま コバルトに光る9月の宝石 はじまりを告げるように息を吐く 深海で押し潰された 空のコンテナを見つけては 大丈夫と手を伸ばす 弱くて冷たい手を握るように 褪せたフィルムの 中で笑うなら 彗星のように現れ 世界に色を付けてくれ 日差しの中へと 消えてしまいそうな 儚さとともに訪れ 青嵐が風鈴を鳴らす ストローをのぼるオレンジ カラリと氷がぶつかり合う かき消す声を弾ませて 全部収めたシャッター 記憶は溢れ 記録は濡れる 夜更け過ぎまで笑いあった 褪せたフィルムの 中で笑うなら 白昼夢の中現れ クスリと笑わせてくれ 木漏れ日の中でさえも 消えてしまいそうな 真っ白なその肌に触れ 二人の息で風鈴を鳴らす