朝に醒めた顰(ひそ)む征野(せいや)の白き乙女 瑞(みず)の小佩(おひも) 堅く結びて撓(たおり)に立つ 浅葱(あさぎ)褪(ざ)めた 澱む逮夜(たいや)の藍に沈む 失われし皹(かか)る吾(あ)が手を包む光よ 暁(あかつき)夢見し蒼き焔(ほむら)纏う鳳(とり)が 生(いく)の國まで舞い上がる 翠(みどり)絶えし大地(だいじ)にも 堕ちた天にも 五色(ごしき)の翼掲げて 羽に湛えた慈しみ 渾(すべ)ての魂(もの)に 与えてそだたく 暁(あかつき)夢見し蒼き焔(ほむら)纏う鳳(とり)が 生(いく)の國まで舞い上がる 天命を邀(むか)えた 梧桐(あおぎり)の丘から 鏘鏘(そうそう)と鳴く聲(こえ)が届いたら 紅月(あかつき)燃え逝(ゆ)く斯(か)かる 星の天空(そら)を惑う 幾億の魄霊(はくれい)を明(あか)き心で束ねて 生と死の理(ことわり)を 来世(あす)に伝えて舞い上がれ