7月の湿度を 帯びた風が頬を撫でる 何度目だろう 6畳の世界を ぬるい空気が満たす また夏が来る ああ 薄暗い部屋から見える空は 痛いくらい明るくて嫌になる ああ 誰かが言う通りになった未来 こんなことのために 繰り返す生活 大事なものだけを集めたと 思ったのに すべてレプリカ 結局人はひとり それに気づかされたのも あの夏だったな 風がページをめくる 半分に割った錠剤 ここにひとり アパートの暗い廊下 羽化の途中で力尽きて死んだ蝉 ああ このまま世界が終わって 朝が来て ずっと目が 覚めなくたっていいのにな ああ 君がいた 記憶ももうざらついて いつか思い出せなくなっていくの 薄く開いた窓から 子供たちの声がする 少し眠る
