あてどない真空の夜 一人逆流していた 泳ぎ方が分からなくて イピツな格好で立ってた そのうち何がしたかったのか 忘れてしまって 仕方ないから走り出した 人並みに溢れかえる街を くくり抜けて行った 西の夜空 ビルの隙間 月が並んで走ってた 景色飛ばして 視界の外へ かすむ意識はとぎれとぎれて 手足が千切れそうなくらいに スピード上げて ただ闇雲に走った 街の匂いも この風景も 手にした物も この世界も 全部消して 走って 目の前が見えなくなるまで 誰の声も聞こえなくなるまで この感覚がなくなるまで 白の世界に吸い込まれるまで