季節の花が咲く隣 知らない懐かしい 涙が出るように 揺れる柔らかい もらったグミに似てる雲に 頼りなくのぼる名のない煙 あと少しで届く波 話しかけないきまり 寝起きの猫の耳 ふと思い出す度 おれてる心 薬塗って守ってく誠実 あの小説まだ続いてるらしい 読みたいけどなんか今は重たい 渡せないままのちょうどいい ジャージ あれはたぶん君のお気に入り ぼやけてた眩暈 今は寒い 知ったかぶりの鏡 に引かれる後ろ髪 向かい合うだけの愛があり 薄く開く唇がぽつり 今と今だけを守りたい 過去も未来とかもない 君と君だけを見つめたい ここでしかない海 無くしたものばかり歌わないで 汽笛の合図でピアノを鳴らせ 季節の終わり曖昧になって 思い出せない記憶が増えて こんな日々でもライトを照らせば 思ったより雨は降っていて 言葉にするほどでもない寒さ 確かにそこにあったのかな 波のように話していたい 見えない来た道振り返れない 淡い光を確かめてたい あの日の期待に椅子を寄せ合い 私たちは大理石のまだら どうか交わらずにいられたなら またやることやっては支度するだけ ファスナーが服を噛んで 漂う靄とゆらめく光 くすぐったい冷たい空気 コンクリート寄りかかる草木に 目線奪われていく午後の4時 果てなく続く水面に 確証もない淡い期待 誰も知らなくてもいいのに また続ける一人遊び 風をなぞっても届かない 波に乗せたって踊れない でも微かに感じる匂い それだけでいいと思える日々 離れた手まだ冷めない温もり 忘れないよう刻んだ痛み 迎えに行くよすぐに ここでしかない海 離れていく船ならもう 忘れたくない今日のこと 見送りはもうすんだこと 混じり気のない「もう2度と」 話し足りないような今と 数え切れないような今を ふと思い出す夜のこと さらわれていく風のよう
