子供の頃はみな心が透明で ビー玉の一つ一つが 名前を持っていた 大人になればみな目の中が濁って ビー玉もおもちゃも みんな同じに見えてく 忘れないように写真を撮って 忘れないように持って でも時間は君を大人に変えてゆく 忘れないように文字に残して 忘れないように綴じて でも時間は風のように 記憶を吹き消した 死んでもいいぐらい美しすぎる海 あの頃は青く見えた。 今じゃ暗い緑だ。 青空を見るたび胸が苦しかった あの頃の僕らは鳥だった。 詩人だった。美しかった。 眠れない夜のつらい記憶も 消し去りたいような過去も 忘れないで。 それは君が強く生きた証だから 忘れないように目に焼き付けて 忘れないように抱いて でも記憶は砂のように 空に舞って消えた でも昨日は風のように 君の背を押してくれる