こんな姿 こんな表情じゃ 幾夜、泣き腫らしても きっと誰も見抜いてはくれない そう思ってた あなたに出会うまで 煤に塗れた部屋の隅で 読み飽きた本を捲るだけ 目的も果たせぬまま ただ 無聊を託つ ある日、箱の中目を覚ました よく知る顔した人形は 訪れる度 同じ 台詞を 繰り返すだけ 日に日に取り戻す心の重さに いっそずっと気付かずに 騙されていられたら そんな不安も違和感も知らず のうのうと哂えてた? それでも… 「余計な感情は捨ててしまえ」 唆す声には蓋をして 黒く濁らせた 瞳の奥に 問いかけてた いつまでも ただ いっそずっとこのままで 何者かさえ忘れて 傀儡のように生きられたら 楽になれるかな? それでも… その目に 光が戻る時を 信じずにはいられない どうか 全て 何もかも 忘れてしまう前に… こんな姿 こんな表情じゃ 幾夜、泣き腫らしても きっと誰も見抜いてはくれない そう思ってた あなたに出会うまで