「もう 寒くなったね。」 「ねえ そばにおいで。」 ふいに冷えた手を 握ってくれた 人混みのなか もう すこし経てば ねえ イブが来るね ハッとした顔 どうせ君は 忘れてたでしょ 去年わたしが 選んだコート すこし髪伸びた 今年の君によく似合う マイナス2度の風に 寄り添いながら ふたりは ひとつの 影になる 隣で歩く君も 見えてるかな こんなに愛に溢れた 冬の街 「もう 寒くなったね。」 「ねえ そばにおいで。」 出会った頃は そんな言葉 言えなかったでしょ 目も合わせずに 話してた 懐かしくなるね 今年の君はもっと好きよ ぽつりと話しながら 大きなあくび 途切れた会話に 笑ってる やわらかな日差しみたい 君につられ こんなに優しい 時間に揺られてる いつか この幸せが 溶けて消えても ふたりは ひとつの 冬を分ける 隣で歩く君も 見えてるかな こんなに愛に溢れた 冬の街