さよならの一言が 言えないでいる 人混みがあなたを連れて行って 夢に消えてく もう少しだけ ただそばにいたくて 凍えるほど寒い夜は あなたを思い出す ポケットに入れた手を握って そっと「寒いね」って笑うの もう少しだけ あなたの声で眠りたい 手を伸ばしたら届くのに 触れられないよな 一人の夜はもう嫌だとは言えない うしろ姿が消える前に そっと胸の奥 あなたが振り返るのを待っている 改札の向こう側で ベルの音が響く ありがとうもまだ言えていないのに 夢の醒める時間 “ねえ まだ行かないで” 駅の音がかき消してく 今夜あなたを困らせても 良いかもしれない この手を握ったまま 引き止めてしまいたい うしろ姿を追いかけても 間に合いそうにない ぬくもりだけが残る 切ない夜 もう一度だけあなたが振り向いて 「やっぱりやめた」って 笑わないかな 時間よ止まれって何度も願ったのに もう 帰りたくない だけど明日もその次も あなたに会えない 一人の夜がまためぐってくるだけ だからあなたを忘れぬように 目に焼き付けてる 涙を隠す所さえ無いくらい さよならの一言が 言えないでいる