誰も知らない場所に 行きたくて けれど何処にも 行きたくなくて だから好きな服やモノを 全部フリマに出したんだ 死に物狂いで集めてたモノや 誰かになるための奇抜な服 安値をつけて次の日には 嘘みたいに空っぽな僕だ 主張が強い柄のシャツの中 「それダサいよね」って言葉 ギターの傷と傷の間には 作っても聴かれなかった曲が 本当に手放したかったものは 箱には 詰められないものばっか 紛らわせるために集めた本は どれもページを捲らないまま 外に出るのは元々嫌いだ だから音に没頭してた 人に会うのも元々嫌いだ だからせめてと 好きな色を纏った そうだった 好きなだけだった わかるよ 人はごくたまに 別人になりたくなるけど 自分をも捨てたらいけないよ 着飾る姿を誰よりも見た 鏡越しに原色の蝶 ギターの弦が揺らした空気は どこよりも居心地がよかった 気付いてすぐに 中央線御茶ノ水 何度繰り返す? 自分を捨てて拾う その繰り返し