母がまだ若い頃 僕の手をひいて この坂を登るたび いつもため息をついた ため息つけばそれで済む 後ろだけは見ちゃだめと 笑ってた白い手は とてもやわらかだった 運がいいとか 悪いとか 人は時々 口にするけど そういうことって確かにあると あなたをみててそう思う 忍ぶ 不忍 無縁坂 かみしめるような ささやかな僕の 母の人生 ♪ いつかしら僕よりも 母は小さくなった 知らぬまに白い手は とても小さくなった 母はすべてを暦に刻んで 流して来たんだろう 悲しさや 苦しさは きっとあったはずなのに 運がいいとか 悪いとか 人は時々 口にするけど めぐる暦は 季節の中で 漂いながら 過ぎてゆく 忍ぶ 不忍 無縁坂 かみしめるような ささやかな僕の 母の人生