静かに 潜(ひそ)やかに 暮れる 夕日に 見送る 遠い祈り いま このまま 放り出して 蒼い影の幕を 閉じた 善いとか 悪いとか 云わない けど 躓(つまず)き 倒れたのも きっと 捜し疲れただけ 岐れ路は 視えないから 君が去った後 この場所は ひどく拡がって 冷たいくらい 持てる力 すべて 届けられもせずに 何も できやしない 眼の前のこと ばかり 遅すぎたのさ 煙に 纏(まと)われた 夜景の 灯に 小さく 遠い背中 いま このまま 倖せに迎う 君を 責めはしない 終わった跡には この場所で 未だ見ぬ誰かを ためらうのか やがて 鍵をかけて 此処から出て行こう 何も なかったように 新しい 自分には なれないまでも 持てる力 すべて 君へと捧げよう 頬が乾くあいだ せめてもの 願いを 込めて 思い出に なれ