スカイライン

歌詞

拝啓 赤い月の城の君へ 青い星の街の君へ ときどき､ こんなことを思いませんか｡ 世界はあらゆる可能性に満ち､ 枝分かれし続けている｡ ある選択からは その選択をしなかった 世界が生まれ､ ある結末からは 新たな始まりが生まれる｡ 君といることを選んだ瞬間に､ 君といることを 選ばなかった世界や､ 選べなかった世界も どこかに生まれるの｡ そんな世界にいるわたしたちは､ どう暮らしているのかな｡ 別の場所で､ 別の誰かと笑い合ったり､ 涙を流したりするのかな｡ すべての世界の君を知ることは 決してできなくて｡ ほんとうの意味で 君のすべてを知ることはなくて｡ そのことがなんだか 苦しくなったりもして｡ もしも世界が すり替わってしまったとしたら? わたしが見上げている 空の先にいるのが､ わたしの知っている君では なくなってしまったとしたら? なにかの拍子に､ この世界にいるわたしが､ 別のわたしとして生きることに なってしまったとしたら? そんなことを思いながら､ 赤い月を､ 青い星を､ 不穏なあざに似た海を､ 甘いソーダに似た海を､ いつまでも､いつまでも､ 見上げています｡ はーあ｡ なんだかとりとめのない話に なってしまいましたね｡ もうそろそろ寝る時間です｡ 眠っているうちに世界が すり替わってしまいませんように｡ 目を覚ましても､ 君を知っているわたしで､ 君の知っているわたしで､ わたしを知っている君で､ わたしの知っている君で､ いられますように｡ そんなことを願いながら 眠りにつきます｡ おやすみなさい｡ 敬具