灯り揺らめく紅殻格子の彼方 心隠して笑みを結ぶ 硝子越しに探る眼差し 真や虚や 今宵 見抜かむ 華の宴 薫り惑はせ ただひと夜の夢ならば 値を量るは我 汝にはあらず 艶やかに舞ふ影を纏ひ 笑みの裏に冷たき秤 甘き詞 毒ともなる この初会にて真 暴かむ 指の端に落つる盃 軽しか重しか聲にて揺らす 契りよりも深き駆け引き 汝が欲り隠し難し 胸の内を飾るほどに 偽りは薄紅の如し 刹那の縁ならば 選ぶは我 艶やかに舞ふ影を纏ひ 瞳の奥 全てを量る 囁きすら試しの糸 この初会にて真 暴かむ 宵闇の裾 翻し 心ごと値踏みする 触れ難き花なればこそ燃ゆる 艶やかに舞ふ影を纏ひ 薫りに酔ふ ふりをしつつ 選ばれしは唯 一人 この初会にて定むるよ 灯りしづかに消えゆきて 聲も香りも夢の如し 泡沫の縁 夜に溶け 汝の影のみ胸に残れり
