あの晩 君は裸足でやってきた 悲しそうな眼をして わけも言わずに座り込んだまま 小花もようの長いスカート 僕は黙って熱い コーヒー作ってあげた そのうち君が ポツポツ話し出すまで あの晩 君は泊まってゆくつもり 昔よくしたように 勝手知ってる僕のアパートで 小指の指輪いじりながら 僕は何だかそんな気が していたけれど やっぱり君は あいつと別れてきたんだ あの晩 君は裸足で飛び出した とりつかれた眼をして 訳を聞きたい 僕を残したまま 小雨もようの長い夜だった 僕は決して君を 許さないと思ったけれど いつかは君が こうして戻って来ると 何となく