月が誘う 夜の遊び 追いかけるわたしから 逃げてごらんよ 世界はただ がらんとした 道もない 壁もない 何もない迷路 走りだせばいい でも走りだせない 月が頭の上で ケラケラ笑う 自由なのに きみはそんなにも 逃げてごらん さあ今すぐ 逃げなくちゃ追えないよ 月がささやいた だけどきみは とまどうだけ 道もない 壁もない 何もない通路 どこへでも行けるから どこへも行かず 誰でも愛せるから誰も愛さない いつもきみは 同じ場所にいる <♪> 「時間は無限にある」 きみはつぶやく 「あわてずに思い出せ あの日の地図を 子供の頃 誰かにもらった……」 そんなものは どこにもない みせかけのガラクタで ごちゃごちゃのポケット 月はきみを まだ待ってる ほらきみの心臓を ころがしはじめた