ねえ どうして僕は必死なんだ ねえ どうしても憑いて離れない ねえ どうして一人走ったのに ねえ どうして既に枯れているんだ ねえ ねえ なにか こたえてよ 紫の花びらは憶えている 彼岸花によく似たその花 君はすごく気に入っていた けれど名前はよく忘れたりして 「君によく似ている、この花」と 名前で呼ばれはしなかった それでよかった ねえ どうして僕は必死なんだ ねえ どうしても憑いて離れない ねえ どうして一人走ったのに ねえ どうして既に枯れているんだ ねえ ねえ なにか こたえてよ 桃色の空はただ眩しすぎて 今はただ鬱陶しいだけだ 僕はその場で地べたに項垂れて 丁度枯れた花のように 「花は、いつか枯れるものよ」 君の声が囁くのに ここにはいないな ねえ どうして僕は泣いているの ねえ どうして僕はここにいるの ねえ どうして一人蹲って ねえ どうして思い出せないんだ ねえ ねえ なにか こたえてよ ねえ どうして僕は必死なんだ ねえ どうして僕は泣いているの なにか こたえてよ