Track by滝沢朋恵
夕暮れの街に 溶けていった 隣の学校の 女の子のくつを 私は 今ももっているの ショーケースの中のあの子は つるされた肉屋の肉の塊みたいに 花で飾られ ぬめって光っていたわ すれ違う学生の 男の子の鞄が 脚にぶつかった 帰り道の商店街 あの子のうつろな目に似合うビー 玉を 私は探しているの いつかあいに行くわって つめたいガラスにほほをつけた 「約束よ」 きれいにそろった まつげを 撫でた 私はあのこの目に触れて 夕焼けの色になる ゆめがさめて 家には もう もどれない 帰り道