灯は震え 彼方は峠へ 病窓に山がみえた 嗚呼 震わす 彼方の鼓膜を 病窓の声は虚しく響く 皆還る場処を識らず そこは山河と信じ縋り 河を下る灯籠が またひとつ暗に溶ける頃に 燈よ照らせ 彼方の足元を 病窓に旅路が見えた 皆還る場所を求め そこは山河と信じ縋り 河を下る笹舟が またひとつ暗に溶ける頃に そこに太陽が昇る 稜線を跨ぎ 数多の頂きを 高く見下ろし やがて太陽は沈む 月光を残し 繰り返される万象は 静寂へ棚引く 還ろう 山河へ 皆還る場所を識らず そこは山河と信じ縋り 河を下る灯籠が またひとつ暗に溶ける頃に そこに太陽が昇る 稜線を跨ぎ 数多の頂を 高く見下ろし やがて太陽が沈む 月光を残し 繰り返される万象は 静寂へ棚引く 帰ろう また太陽が昇り そして沈む 繰り返される万象が 惑星に叩き込まれる やがて凡てが畢わる 何かを託し 繰り返される万象よ 静寂へ導け 還ろう 山河へ
